春に咲く柚
家の方向が偶然にも同じだったらしく、同じ電車に乗り込む。


けど別に会話がある訳でもなく、あっという間に綺咲と分かれた。


ホームを去っていく綺咲を電車内から見送り、そのまま家路に着いた。



 ✳ ✳ ✳



「はぁぁ…………」


海よりも深い溜め息を漏らしているのは尚人。
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