春に咲く柚
尚人は溜め息を吐き、再び伏せてしまった。


そんな友人の様子に俺も溜め息を吐き、自分のリボンを取り出し、一瞬固まる。


「……なぁ、尚人。お前の彼女、リボン何だっけ?」


「水色の水玉」


「これか?」


そう言って自分の持つ、特徴の酷似したリボンを手渡す。


途端に尚人は目を輝かせ、
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