春に咲く柚
私と先輩を交互に見ながら、微笑む尚君。


一応先輩だから、”尚先輩”の方がいいのかな?


「偶然って凄いね」


「なぁ、尚君? 僕のことも紹介してくれへん?」


尚先輩の話に割り込んだのは、今まで後ろに立っていた男の人。


襟元には二年生の校章。


どういう訳か、この教室には先輩が多いようだ。
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