春に咲く柚
「ああ、ごめん、恋。二人とも、こいつは伊月恋。よく分かんない奴だけど、仲良くしてやって」


「それどんな紹介なん? まぁ、ええわ。よろしゅうなぁ、綺咲ちゃんに涼香ちゃん?」


先輩ぽくない、と言ったら失礼かもしれないけど、話しやすそうな人だと思った。


「こちらこそ。恋先輩」


そう言うと恋先輩は柔らかく微笑んで、言った。


「綺咲ちゃん。そろそろ柚君の方に戻ってあげてぇな。僕怒られるん嫌やから」
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