君へ花を届けよう



「…で、花を集める時に注意することがあるの。



それは"花を枯らす奴ら"。

私たちはウィザーと呼んでるけど、ウィザーは集める花を奪おうとするの。


花を奪うには、本人から少しだけ血を奪う必要があるから貴方達が狙われる...。


だから私たちはウィザーから貴方達を守るのも仕事の一つ!


ま、血を奪うって言っても少ししか奪われないから負担は無いんだけど...。」





「花を奪う!?

奪われたらどーなるんだ!?」




「奪われたら奪い返す!

って言いたいけど、それにはすっごく力がいるの。


力ってゆーのは私みたいな"案内人"が持ってる力。


私も詳しくは知らないけど、その力が少なくなるとうまく動けなくなるみたい。


だから奪われたら奪い返すことは殆ど不可能...らしい。」




「…でも、奪われなければいいんだろ!?

よし、なら俺を...俺の花を守ってくれよ!」




「…あなたってお調子者ね。

ま、初めからそのつもりだけど!」





ヒカリはそう言ってニコッと笑ってみせた。





「あ、でもそんなに期待しないでね?

私バイトしてる者ですから」





「へぇ、バイトとかもあるんだなぁ!

つか、お前生まれた時にはもうココにいたのか?」




「あー....。


ううん、どっちかって言うと植物状態になってからココにいるのかなぁ...?」




質問の答えを濁すヒカリは困ったように笑って俺と目を合わせなかった。



「それより!

これからは私から一度も離れないよーに!


いつどこでウィザーが現れるかわからないからね!」



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