夢を忘れた眠り姫
次いでスキンケアして髪を乾かして洗面器の中の肌着類を手で濯いだあとそれを手に一旦自室に戻り、部屋の中に干す。

その後、日によってやる事は微妙に変わるけれど、翌日の服装を決めたりハンカチをバッグに入れたり、チラッと例のサイトを見に行ったり、あれやこれやしている間に洗濯機が止まるので、今度はそちらのブツを回収して同じく部屋干し。

もちろん、それ用のアイテムはきちんと揃っている。

普段は部屋の隅に置いておける、折り畳み式のステンレスでできた物干しバーや洗濯ばさみ等。

女の独り暮らしで人前に洗濯物を晒すのは色々と抵抗があるので、実家を出てからはずっと室内干しである。

漂白剤が菌の繁殖を抑えてくれるので変な臭いが着く事はないし、また、寝ている間の加湿器代わりにもなるのでそのやり方に今まで不服を感じた事はない。

ちなみに、肌着以外に関しては、必ず毎日洗濯するとは限らなかった。

遅めの時間にお風呂に入った時は洗濯機は回さないようにしていたから。

言わずもがなで、他の入居者への配慮である。

ボーダーラインは21時。

アパート契約時に渡された規約にそのように書かれていたのだ。

ただ、私は仕事終わり、どこにも寄らずにアパートに帰り、さっさと夕飯を食べてとっととお風呂に入っていたので大抵の日は大丈夫だった。
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