夢を忘れた眠り姫
しかも前髪には外した時に斜めに癖が付くようにピンクのカーラーが巻き付けてある。
そして極めつけ、着ているのは毛玉だらけでズボンのウエストゴムが伸びきった紺のフリースパジャマだった。
で、でも、至近距離まで来なければ毛玉の存在は分からないだろうし、ましてやゴムのコンディションなんか気付きはしまい。
それに一応これ『このまま散歩や近所へのお買い物に出かけても恥ずかしくないですよ』的な謳い文句で売られてたナウいセットアップだもん。
セール品の大特価で私が買った時は上下で1050円だったけど元々は4200円もするやつだもん。
他人に見せても失礼ではないハズだもん。
「い、いやいや、何しろ貴志さんの振り幅には負けますよ!」
そこで私は反論した。
「何でいつもあんなにピシッと固めた髪型なんですか?」
「仕事中前髪が瞼にかかったら鬱陶しいから」
「何故に眼鏡を着用しているのですか?」
「目が悪いからに決まってるだろ」
「コンタクトがあるじゃないですか」
「何でそれを着けるのが大前提なんだよ」
相変わらず普段とは異なる、ぞんざいな言葉使いで朝食の準備をしつつ私の質問に答えていた彼はそこで視線を合わせて来た。
「眼球に異物をくっつけるんだぞ?自然の摂理に反する行為じゃないか。そんな事が平気でできる方が俺には信じられない」
「で、でも、中には諸々の事情で装着しなくちゃいけない人もいる訳で…」
そして極めつけ、着ているのは毛玉だらけでズボンのウエストゴムが伸びきった紺のフリースパジャマだった。
で、でも、至近距離まで来なければ毛玉の存在は分からないだろうし、ましてやゴムのコンディションなんか気付きはしまい。
それに一応これ『このまま散歩や近所へのお買い物に出かけても恥ずかしくないですよ』的な謳い文句で売られてたナウいセットアップだもん。
セール品の大特価で私が買った時は上下で1050円だったけど元々は4200円もするやつだもん。
他人に見せても失礼ではないハズだもん。
「い、いやいや、何しろ貴志さんの振り幅には負けますよ!」
そこで私は反論した。
「何でいつもあんなにピシッと固めた髪型なんですか?」
「仕事中前髪が瞼にかかったら鬱陶しいから」
「何故に眼鏡を着用しているのですか?」
「目が悪いからに決まってるだろ」
「コンタクトがあるじゃないですか」
「何でそれを着けるのが大前提なんだよ」
相変わらず普段とは異なる、ぞんざいな言葉使いで朝食の準備をしつつ私の質問に答えていた彼はそこで視線を合わせて来た。
「眼球に異物をくっつけるんだぞ?自然の摂理に反する行為じゃないか。そんな事が平気でできる方が俺には信じられない」
「で、でも、中には諸々の事情で装着しなくちゃいけない人もいる訳で…」