眠れない夜は君に逢いたい
3ヶ月に1回しか顔が見れなくなった。
ホテルか秀一の家でしか。
「秀ちゃん、ケータイなってるよ」
情事が終わったあと、タバコを吸ってる
秀一を横目にケータイ画面を見た。
男の名前。
「あぁ、上司だ…。ごめんな、仕事が忙しくて」
「ううん、大丈夫、ありがとう。時間作ってくれて」
ごめんな、と言って頭を撫でる。
音は鳴り止まない。
「ごめん、かけ直してくる」
お風呂場にいく秀一。
深夜2時。
秀ちゃんは始発で帰ると言っていた。
休みの日は教えなくなったけど、
仕事がある日は必ず朝起こしてほしいと
連絡がくる。
たぶん、明日は休みなんだろうなー。
床に落ちた下着を履きながら
私は彼女なのか、遊び相手なのか
考えた。
確かめる勇気もなくずるずると
関係は続いている。
お風呂場から帰ってきた秀一は
つかれたーと私の頭を撫でる。
「まぁこ、仕事が落ち着いたら結婚しような、もう少し待っててな」
深夜に電話かかってくる人はいいの?
「秀ちゃん、大好き」
抱きついて笑顔で受け止めてくれる
秀一を信用してたわけではないけれど、
私はおまじないのように
大好き、大好きとしか言えなくなっていた。