眠れない夜は君に逢いたい





そんなんじゃお婆ちゃんになるよ。
と言った友人は数日後、結婚式をあげた。


職場で知り合った年上の上司だという。



おめでとうと乾杯した
数ヶ月後、友人は旦那さんと引っ越しした。

まるっきり会わなくなっていった。







一方で私は秀一にのめり込んだ。




仕事が終わるとメールチェック
朝はもう頼まれなくなった恒例だった
電話を繰り返す。





繰り返す。繰り返す。

とらないとわかると、録音した通話を
再生して秀一の声を聞く。






安心した。



涙はでなかった。



たまに思い出したかのようにくる連絡が私を支えていた。




大学を卒業して秀一と共に上京した私は
秀一以外の時間をどう過ごしたらいいかわからなかった。
仕事をしても秀一、秀一だった。

友人が1人、2人、3人できてもなにも変わらなかった。


友達などいらなかった。


秀一との時間のほうが優先だったからだ。






結婚した明里は、まだ仲がいいほうだった。
私と違ってサバサバしていてハッキリ物を言う所が好きだった。


でも、秀一を優先していた私は休みの日は秀ちゃん秀ちゃんしていたから明里は心配したのかよく口を出すようになってきた。
浮気してるよと。別れ方がいいよと。



私は聞く耳などもっていなく
明里ともたまにしか会わなくなり
結婚し、引っ越して距離も離れまったく
会わなくなっていったー。



たまに連絡がきても
なんで秀ちゃんじゃないんだろうって
毎日思った。




< 6 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop