好きな人の好きな人。【完】
健斗side
初めてあったのは、小学生の頃だった。
儚げでどこか寂しそうな顔をしていたから声をかけた。
もう引っ越してしまうんだし、
今のうちに思い出を作っておこうと思って。
けれど、後からそんな簡単な悩みじゃないことが分かって
この子のためにどうにかしてやりたいと思った。
数えるほどしか話せなかったけど、その子のことが頭から離れなかった。
あれは自分で心の奥底にしまった、
__初恋だったんだ。