好きな人の好きな人。【完】
そんな女の子の瞳にぽろぽろと涙が溢れる。
なんでこんな人女心の欠片もない奴とあの可愛い女の子が
付き合ってたのかが今一番の謎だった。
そうして眉間に皺を寄せていると、凛とした声が聞こえる。
「盗み見が趣味なわけ?」
上から音が降ってきたかと思い見上げると
さっきの男がすました顔でこっちを見ていた。
今の私の心情をまるで理解してないそいつに
冷たい言葉を浴びせた。
「あんたの恋ってそんなものなの?」
そんな言葉にそいつは不敵に笑うだけ。
「ふーん。盗み見は認めるんだ。」
一発殴ってやりそうになったのは
一応胸の中に秘めておいた。