好きな人の好きな人。【完】
そんな気も知らずそいつはまた不敵に笑った。
「お前、好きなやつとかいるんだ」
「まぁ…一応。」
どうしてそんなことをこいつに白状したのかは分からなかったが、
少しでも今の気持ちを軽くしたかったのかもしれない。
「くだんね。」
__は?
聞いてきたのはこいつじゃん!
本当にこいつは人を怒らせるのが本望らしい。
「...くだらない?
恋もしたことないやつに、
そんなこといわれる資格なんてない!
こっちは繋ぎたくても繋がらない恋に必死にしがみついて、
どんなに苦しくもがいても
変えられない気持ちにどれだけ絶望したかなんて知らないくせに!」
息が乱れて上手く呼吸が出来ない度合いに
私は怒鳴ってしまったらしい。
「…え」
素っ頓狂な声が聞こえたと同時に
私の足はダッシュで校門に向かっていた。