好きな人の好きな人。【完】

＿＿ﾌｯ、そんな微かな笑い声が聞こえた気がした。


「そっか、そうなんだ。

でも、あの子は海音のこと好きそうだけどなー。」

なんて、意地悪い笑顔で聞いてくる。


「な、ないです！

恋なんてくらだないってそうほざいてたんですよ。」


そう言ってまたさっきのあいつの言葉を思い出しては腹が立つ。


「そうなのか。」

そんな私をあやすかのように、

先輩はクスッと笑って私の頭を撫でてくれる。



そんな先輩の優しさに

胸が締め付けられた気がした。



「一緒に帰る？最寄り駅どこ？」


「えっ、いいんですか！？

若森駅です」


思わぬ出来事に声が裏返る。

こんな事になるとは思ってなかったから、少しだけあいつに感謝してやった。