好きな人の好きな人。【完】
「そ、そんな、ほんとに無理です!」
先輩の発言にきちんと返事をする。
少し口角を上げる先輩の妖艶な笑みに惹き込まれそうになったのも事実だが。
「バカだなー。
なら俺んとこお化け屋敷やるから、こいよ。」
「そんなこといって、客寄せしたいだけなんじゃないですかー?」
「あっ、バレた?」
そう先輩が言うと、お互いにぷっと吹き出して笑い合う。
絡まる視線にドキドキした。
「ぁ、電車きたし、のろーぜ。
つか、この時間帯いっつも混んでるよなー。」
「本当に、大変ですよね。」
視線が逸れて少しだけほっとした自分もいた。