好きな人の好きな人。【完】



早く引き返してほしいがために、

「黙ってくれます、中庭男。」

と、強気に言い放った。



またこんな奴と話してる所を先輩に見られたら

今度こそコイツを殴ってしまいそうだった。



「俺の名前は、岬 健斗。

健斗でいーよ。」



「名前どころか顔も見たくないんですけど。」



これが精一杯私の気持ち。

でもそんなことも気にしてなさそうな顔のこいつ。



「お願いだから、早く帰って。

マジで迷惑だから。」



こんなことを言うくらいしかできなかった。


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