好きな人の好きな人。【完】


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「やっぱ来たんじゃん。」

「仕方なくですけどね。」


どこまでも素直になれない私。


可愛げがないのは自分が一番良くわかってるんだけど、

コイツで可愛げを出す練習なんかしても意味すら感じられない。



「はいはい。


ってかさ、屋上ってなんか青春だと思わねえ?

空?聞いてる?」


そんなこいつの言葉に、ハッとした。


少しだけ先輩と似ている話し方に、整った横顔。
初めてまともにこいつの顔を見た。




そして少し、ほんの少しだけ

鼓動が速くなった気がした。



気付かないふりをして空を見上げていたのは

ただの負け惜しみだった。


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