好きな人の好きな人。【完】
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「やっぱ来たんじゃん。」
「仕方なくですけどね。」
どこまでも素直になれない私。
可愛げがないのは自分が一番良くわかってるんだけど、
コイツで可愛げを出す練習なんかしても意味すら感じられない。
「はいはい。
ってかさ、屋上ってなんか青春だと思わねえ?
空?聞いてる?」
そんなこいつの言葉に、ハッとした。
少しだけ先輩と似ている話し方に、整った横顔。
初めてまともにこいつの顔を見た。
そして少し、ほんの少しだけ
鼓動が速くなった気がした。
気付かないふりをして空を見上げていたのは
ただの負け惜しみだった。