好きな人の好きな人。【完】





「無視すんなよ。


てか、先輩のどこが好きなわけ?」


「好きに理由なんかないよ。

気付いたら全部が好きになってた。」


どんな仕草だって、凛とした後ろ姿にさえも。


「ふーん。

なら、空の世界には色がついちゃった、てわけだ。」

と、いってこっちを向くそいつ。

少しだけ瞳が揺れた気がした。



「なに臭いこといってんの。」



そういいつも、堅苦しい笑顔しか作れなかったのは

自分の責任だった。






< 38 / 123 >

この作品をシェア

pagetop