好きな人の好きな人。【完】
そうして、遥香がスッと話し始める。
「えーと、まずまとめると、
空が昨日の委員会で寝ちゃったんでしょ?
そして起きたら風早先輩がいたと。
そこで先輩に失恋で落ち込んでるんだと勘違いされて、
恋愛の話になったんだっけ?
で、沈黙が怖くて
咄嗟に好きな人がいるかと聞いてしまった。
で、合ってる?」
「…うん」
自分の失態を思わぬ形でまた浴びせられて。
分かってはいても、ばかな自分に嫌気がさす。
「ほんとに、どんな心境で好きな人がいるかとか聞いちゃったのよ。」
ぷ、と今にも吹き出しそうな遥香。
笑い事じゃないのに...。
衝動はどこまでも危ないものだと
初めて悟った気がした。