好きな人の好きな人。【完】
「そんなわけないじゃん!!
そんなことで軽蔑するくらいなら最初から友達なんてやってない。
それに空は何も悪くないじゃん。
私はそんな理不尽な理由でいじめてた奴にほんと腹がたつよ。」
遥香の言葉に涙が出そうになった。
生きてきてよかったって、心からそう思えた。
「私がびっくりしたのは運命的な出会いの方だよ!
それより、お母さんとはもう大丈夫…なの?」
「うん、お母さんは大人だしね。
しばらくたってからは仕事に出たから家にいる事が少なくなって、
関わること自体なくなったよ。」
「そっか。」
そういって瞳を揺らす遥香。
涙が零れ落ちるのにそう時間はかからなかった。