好きな人の好きな人。【完】
出会い。
いつの間にか鳴ったチャイムの音に
ビクリと肩を震わす。
すると、ひょこと遥香が私の顔を伺って、
「空、ほんとにぼーっとしすぎ。
そんなんじゃテスト前に困るだけだからね?
こんな空、一人にしたくないけど。
部活行かなきゃだからゆっくりしてるのよ?
お大事にね。」
なんて優しい言葉を放つ。
病気じゃないんだから、という言葉を思わず飲み込む。
もうこれは一種の恋の病ってやつかも。
どんどん気分も沈んでく一方だしね。
失恋の味は、苦いに尽きた。