再現教室~死のリプレイ~
そう言ったのは続だった。


続は険しい表情を信一へ向けている。


「まさかお前千鶴を守るために自分を犠牲にするんじゃないだろうな?」


あたしが思っていた事を、続が言った。


信一は続を睨みつけるようにして見上げた。


「好きな子を守ってなにが悪い」


「お前も、真と同じか」


「なんだよ。続だって奏を守りたいんだろう!?」


「守りたいさ!! だからこそ、犠牲になろうだなんて思わない! 奏を1人にはしたくないからな!」


続の言葉にあたしの目には涙が浮かんでいた。


今まで続の気持ちなんて知らなかった。


普通に暮らしていればずっと気が付かなかったかもしれない。


それが、こんな形でわかるなんて……。
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