レンタル彼氏
不幸というのは続くもので
衝撃的な出来事が起きてしまった。
「水口さん結婚するらしいよ」
との噂が華子から
あたしの耳に入ってきた。
「えっ?と言うことは?」
「そう!相手はヤツでしょ」
「そっか。。。だよね」
「そんなことよりさ
病院に行ったの?」
「行ってない」
「出来てたらどーすんのよ
ヤツは結婚するのよ?
認知とか保証とか
色々めんどくさくなるよ
さっさと行けば?
行け!と言って1週間過ぎてるじゃない」
「気のせいかな?と思って
生理が来るのを待ってる」
「はぁ?バカなん?
さっさと行けば」
わかってる こんなに悩むから
余計にストレスとかで
遅れてるだけと そう信じたい
そんな自分がいる。
その日の昼休憩
水口さんとすれ違った。
7センチのヒールなのに
今日はローヒール。
「あら七瀬さん1人?」
呼び止められてしまった。
「はい」
「お昼はもう終わったの?」
終わってないけど説明する必要もない。
「あの 結婚されるそうで」
「えっ?どこ情報?」
水口さんは驚いた表情をみせた。
「友人から聞きました」
「あまり まだ公にしたくないの
だから 内緒にしてね」
やっぱりか。。。
「相手は主任ですよね?」
「あらぁ!なんの確認?」
「いえ・・・なんでもないです」
「実はね あたし妊娠してるのよ
みんなにデキ婚って言われちゃうから
来月辞めるまでは
秘密にしておきたいなって」
妊娠?
だから7センチヒールがローヒール。
うん?と言うことはあたしに
出来てたら 同じ時期に
産まれちゃう感じ?
幸せな妊娠
不幸せな妊娠
あたしとは格差だ。