レンタル彼氏
「大好きな人との子供
産みたくないわけないじゃないですか」
声を荒だてた。
「うん・・・そーだよね」
「でも無理なんです
内緒で産んだとしても
いつかバレて大変になるから」
「気にしなくて産めばいいじゃない」
「ダメです!あたしのせいで
あの人の心に傷つけたくないです」
「あなたはいい子ね
あなたは気持ちを伝えようとか
思わなかったの?」
「実は相手は会社の上司なんです
いつも迷惑ばかりかけて
怒られてばかりで・・・
でも言い合えるのが楽しくて
だから気持ちを伝えて
この関係が壊れるのが嫌だったんです」
と全てを打ち明けた。
イケメンで人気者で
仕事もできて そんな人に告白とか
大それたことだし!と
すると いつのまにか
本命の彼女ができて
その人は美人でスタイルもよくて
勝ち目がないほどだと。
「その人がどんな女の人か
知らないけど 私からしたら
あなたはすごく可愛いと思うよ
素直だし」
「ありがとうございます
そう言ってもらえてうれしいです」
「どこがそんなにその相手のことが
好きなわけ?」
「優しくて気が利いて・・・
うん すべてです」
「もったいないな
あなたならたくさん言って来る人
いるでしょ?」
「あはは 無いです」
「そーかしら?」
「あたし あの人以外興味ないし
かれこれ1年以上片思い」
「そんなに???
相手はその気持ちに気づかないなんて
大バカ者だね」
話してる最中に時計を見ると
もう2時半過ぎている。
「あのぉ まだですか?」
「うーん 遅いわね」
「あたしもあんなに時間かかるのかな?」
「そんなことないと思うけど」
「途中で何かあったのかな?
怖くなってきちゃったな」
トントン。。。
扉を叩かれた。