レンタル彼氏
月曜 円香のいない時に
☆☆☆月曜日の仕事開始前
「あっ 円香休みなのか」
ふと 美奈が呟いた。
「木曜も休んでまた今日も?
最近様子がおかしくないですか?」
「翔太もそう思う?
なんかさぁ 元気がないというか
空元気ってやつ?」
「実はですねぇ
これ言っていいのかな?」
翔太は自分の心にあることを
言うべきか言わないべきか
悩んでいた。
「なによ!いいなさいよー」
「うちの姉貴にそっくりなんです」
「はぁ?関係ないし!
バカなんあんた!
翔太のお姉さんに似てるとか
似てないとか今関係ないでしょーが!」
「それが・・・ありありなんです」
「はいはい
時間の無駄!さぁ!仕事始めよ」
美奈は翔太の言いたいことを
聞こうとせず仕事の準備に
取り掛かかろうとしていた。
その時「円香先輩 妊娠してません?」
翔太のつぶやく様な声が
美奈の耳まで届いた。
「はぁ?もー!
何をバカなこと言ってんの!
相手が居ないの知ってるでしょ」
「オレの勘は100%当たるんです
あっ 100%は言い過ぎか
コーヒーの匂いとか食べ物の匂いで
気持ち悪くなるのか
オエッとしてるのを目撃したんです」
「偶然でしょ
あたしもそれこの前見たよ」
「直接聞いたんです」
「えっ?円香に?」
「はい まぁ 違う!と言われましたけど
うちの姉貴もそーだったんです
つわりのくせに誤魔化して
違う!違う!って
だけど結局妊娠してて
デキ婚したばかりなんです
だから その光景がすごく浮かんできて」
「ええー 円香が???
それはないでしょ
相手は誰よ」
「あの人っす」
翔太が指をさしたのは主任。
「はぁ?」と言いながらも美奈は
もしかして沖縄で?
と思い始めた。