レンタル彼氏


「こうしてみても
お似合いだよねぇ」


わざとあたしの反応を
確かめるかのように耳元で言う先輩。


「ですね・・・」


「取られちゃうよ
何とかしなくちゃ」


「取られるとか
別にあたしのものじゃないし」


「そう?
好きなくせに・・・
白状したら?そーしたら
それなりに協力してあげるのに」


「協力も何も 別に・・・」


「あっそう?」


協力してもらいたい気持ちは
あるけど 振られる可能性大だから。


主任がこっちへ戻ってきたのは
お開きになってからのこと。


その頃は二次会参加メンバーを
募っていた。


「主任も行きますよね?」


「いや オレはパス」


主任が居ないのなら
あたしもパスしよう。


「主任行かないんですか?
どーして?」


翔太が残念そうに言った。


「どーしてって聞くか?」


「聞きますよぉ〜
もしかしてデートですか?
あっ 違う主任は彼女居ないんだった」


「お前なぁ 失礼なやつだな
主任は彼女居ないんだった!って
よく言うよなぁ」


「だって・・・さっき・・・」


主任の口調が強くなったから
怒ってしまって
やばいと思ったのか
翔太はしどろもどろ。


こんな口調いつものことで
あたしは慣れっこだけどね
こんなの怒った内に入んないけどね。


「何 おどおどしてんだよアホ!
今から大切な接待があるの!」


翔太はすみませんと
なぜか謝っていて
その姿にみんなで笑ったのだった。





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