レンタル彼氏
「何だよ 朝からそこそこと
話してると思えば突然大声で呼ぶとか」
「一大事です」
「お前らの一大事は
いつものことだろう」
めんどくさそうに話す主任だが
「円香のことだけど」
美奈が言うと
「七瀬?七瀬がどうした?」
と急に態度を変えた。
「あんたの子を
身ごもってるんじゃないかと」
「はぁ?何の証拠に?
オレと七瀬がそんなことに
なってるわけないだろ
朝から変なこと言うなよな」
全然他人事の主任。
「はいはい そんな説明どーでもよくて
時間がないのよ
探してよ」
「探す?」
「片っ端から産婦人科に
電話かけてよ」
「だから!美奈先輩
それは無理ですって」
「無理かもしれないけど
もしかしたら教えてくれるかもじゃない?
希望持とうよー」
「ちゃんと説明しろよ
お前達が言ってることが
全然理解できん」
そこで さっきの話を主任に
事細かく説明をした。
「それ聞いても自分には関係ないと
思う?」
「あいつぅ!!!
何で言わないんだよ」
「言えないでしょ
そうそう主任は結婚するって?」
「結婚???
そのデマどこから流れてるわけ?」
「本当にデマなわけ?」
「おい!!!お前は
オレの気持ち知ってるだろうが!」
「でもぉ」
「確かに水口は結婚するよ
だが相手はオレじゃない」
「円香は水口さんに聞いたらしいよ
本人が言うんだから嘘じゃないでしょ」
「水口が?
ちょっとあいつも呼ばわ
あいつは社長の息子と結婚するよ」
「えっ???」
「はぁ???」
「じゃあ どうして円香に嘘つくの?」
本人の口から聞こうと主任が水口さんを
この場所に呼んだのだった。