レンタル彼氏
「うそ・・・ですよね?
本気ですか?」
「普通さぁ 告白を嘘って言う?
この言葉を言うのに
どれだけ勇気がいったか分かる?」
「うそ・・・だって嘘だもん」
「お前なぁ・・・
お前はうそ!うそ!って
失礼なやつだなぁ」
「だって主任は
遊ぶ女はたくさんいるとか・・・
言ってたし」
「そう言う設定の方が
七瀬と絡みやすいかな?って
だいたいさぁ 好きでもないやつと
3日間も旅行とかしないだろ
お金は受け取ったけど
それは返すつもりだったし」
「・・・・・」
「七瀬は?
七瀬の気持ちは?」
「あたしは・・・あたし・・・」
素直に好きです
の言葉が緊張して口から出てこない。
「おい!今さら嫌いとか言うなよ」
「い・・・いいませんよ」
「フフフ」
「何笑ってんですか!」
「可愛いなぁと思って」
「可愛いとか言わないでくださいよ」
「なんで?普通嬉しくない?」
「実感なくて・・・」
「ばぁーかぁ!」と言いながら
主任が身を乗り出してきた。
これ・・・これってもしかして
キス???されちゃう???
「えっ?」
ここ駐車場だよ
人が見ちゃう。。。
♪♪♪チャンチャチャ
突然主任の携帯が鳴り始めた。
チェッと舌打ちした主任は
携帯を確認。
「神崎か・・・」
美奈先輩から電話らしい。
「どーだったの?間に合ったの?」
横に居るあたしに聞こえるくらいの
大きな声。
「ああ」
「よかったわね
で?円香は?」
「一緒にいるよ」
「ちょっと変わってくれない?」
「何で?」
「一言 言わないと気が済まないの!」
「変わるけどさ
グズグズ言うなよ!」
「約束できない!
だけど 変わって」
電話を通してでも
怒った顔が浮かぶくらいの勢い。