レンタル彼氏


しばらくすると
秘書の水口さんが
「藤堂主任」と尋ねてきたと思うと
「あ・・・行こうか」
と2人で消えてしまった。


「あれは朝までコースだね」
呟くように言う美奈先輩。


「あ〜なるほどぉ!
実は主任とあの人は
そう言う関係なんですね
居ない居ないって言って
誤魔化してるだけなんですね」


「そーかもね
明日の朝 仲良くご出勤して来たりして」


「ですよねぇ 楽しみですねっ」


盛り上がる2人を目の前に
顔は笑って相槌を打ってるが
心は落ち込むあたしがいる。


「さっ!あたしたちは帰ろ」


二次会に行きましょうよ!と言う
翔太のしつこい誘いを
若者は若者で盛り上がった方が
楽しいよぉ〜と断り
あたしと美奈先輩は別のお店へ。


そこも「帰る!」と言うあたしに
「一軒付き合ってよ」と
美奈先輩に強く押し切られ
飲みに行くことになったのだった。


「心ここに在らずの円香ちゃん
何か心配ごとでも?」


「何もないですよ
心もちゃんとここにいますから」


「そう?それならいいけど」


ここは話題を素早く変えなきゃと
先輩何飲みます?
食べ物注文しましょと
メニュー表をテーブルに置いた。


「うーんそーねぇ」と
ビールやおつまみなど適当に
注文をした直後。


「ロイヤル?ワシントン?
ガーデン?えーと」
意味不明なことを言い始めた先輩。


「何言ってんですかぁ?
そんなメニューないですよぉ!」


「ホテルよホテル」


「はぁ?美奈先輩酔ってます?
わけわかんないこと言ってますよ」


「酔うわけないでしょ
あたしがお酒に強いの知ってるでしょ」


「ですよね・・・
では何故?」









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