レンタル彼氏


「藤堂征吾は七瀬円香と
結婚します」


パチパチと翔太と美奈先輩の
拍手と共に聞こえて来たのは


「えっ???」
「はぁ???」
「いつから付き合ってんの?」
「マジ?」
とみんなの信じられない!
と言う雰囲気の言葉。


だよね。。。
あたしと主任が釣り合うわけないし
と思って下を向いていると
課長が


「そんなことだろうと思ったよ
何かと藤堂くんは七瀬を
気にかけてたしさ
だけどよくみんなにバレずに
コソコソしてたもんだな」


コソコソしてない
だって交際開始もつい先ほどだから。


「・・・という事だから
皆さんよろしくお願いします」
主任が頭を下げたからあたしも
横で軽く会釈をするとみんなから
「おめでとう」と拍手に包まれた。


みんなそれぞれ持ち場に戻ったが
すんなりと通してくれないのが
若干2名。


そう翔太と美奈先輩。


「主任!
オレに一言言うことないですか?」


「あ〜あ ありがとな」


「はい?あ〜あ ありがとな?
それだけ?そんな簡単なものですか?」


予想通りの展開だ
そう言うとは思っていた。


「何が欲しい?」


「何が???うーんっと
ロレックスの腕時計?」


「はぁ?いくらすると思ってんだ!
アホか!」


「えぇ〜
それぐらいの価値あると思いますけど?
ねっ?美奈先輩どー思います?」


「確かにね」


「神崎!お前も!」


「まぁ 一歩譲って
カルティエの腕時計?」


「・・・返す言葉がないわ!」
少しあきれた様子の主任。


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