レンタル彼氏


残り時間後1時間ちょっと
「もう上がっていいよ」
との課長の言葉を待っていたが
現実はそんなに甘くない。


「待つ?」と言う主任の言葉に
「待つ?はないよね?
待っててくれる?でしょ!」


「うるさい!」


「お店予約してるんでしょ
キャンセルしてないんでしょ?」
と言う美奈先輩。


ーーー誕生日だから
一緒に食事してーーー


「キャンセルしてないの?」


「そうそう きっとこの人の事だから
いい店だと思うけど?」


「いい店?えっ?主任?本当に?」


「いい店じゃないけど・・・
別にもういいかな?なんてね」


「キャンセルするの?
もったいなーい!!!」
美奈先輩がもったいないと。。。


あたし! 主任と行きたい。


「あたし行きたいな」
ボソっと言うと


「じゃあ 行くかぁ!
終わるまでどこかで時間潰すか
このまま仕事してくれてもいいけど?」


仕事?
急に上司目線になった主任
冗談じゃないよぉ。。。


「仕事???
今日は有給なんで仕事はしませーん!
こんなボロボロの普段着で
食事には行かれないんで
帰って着替えたり準備するから
主任が終わったら迎えに来てください」


「おう!円香!いいね!
そうそうなんでも言いなりに
なるんじゃないからね!」
と後を押す先輩。


「はいはい わかりました
迎えに行きます」


あたしは家に帰って
準備をして主任の迎えを待った。


主任が来たのは19時前だった
「気を利かせて早く帰れって
言うかと思ったのに
こんな時に限って次から次へと
仕事があるからさ」


「大変だったね」


「残って
手伝ってくれても良かったのに」


「事務しか脳のないあたしは
手伝うこと何もありませーん」


ふざけて言うと


「それもそーだな
二度手間になったら余計に
時間かかるしな」


「ひどっ!!!」


ここは上司と部下の様な会話。


「さて!機嫌損ねる前に
行きますか」


主任は車を走らせた。









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