レンタル彼氏


ーーー人生で一番幸せな
誕生日だなーーー


そう呟く主任。


どう返答していいかわからず
黙ったままのあたし。


「実はさ
上の階のスィート予約してるんだ」


「そーなんだ
スィートの予約ね 」
と 簡単に返事をすると
「そーなんだって
意味わかってる?」
そう尋ねられてやっと理解したあたし。


「はぁ???
断られる確率20%持ちながらも?
スィート予約?
断られたらどーしてたの?」


「断られたら?
他の女でも呼んで癒してもらおうかと」


「他の女???
信じらんない!
よくこの場で言えるね!!!
聴いてますかぁ?あなたのパパは
こんなこと言ってますよぉ〜
すでに父親失格ですねぇ」
お腹を触りながら言うと


「おい!!!
誰を味方につけてんだよ」
と少し焦ったように言った。


「冗談でもそれ
『他の女』とか言って欲しくない」


「ごめん」


「あっ。。。ごめん
なんか。。。こっちこそ重い女で」


「いや円香の気持ちがよくわかったから
それはそれでいい」


「あたしの気持ち?」


「そう!
オレのこと好きなんだなぁってね」


「それは・・・えっと・・・」


「実は ダメ元で今日予約入れたら
たまたま 取れたんだよ
行こっか」


ーーーあたしたちは
場所をスィートルームへ
移したのだったーーー


初めて目にするスィートルーム
景色は格別で夜景が眼下に広がっている。


「征吾来て来て!
すごいきれーよ!」


はしゃぐあたしの後を追った主任は
「そーだなぁ」と言いながら
あたしの腰に手を回す。


「フフフ」
と笑うあたしに
「何?」と尋ねる主任。


「沖縄思い出しちゃった」


ーーー恋人ならこうしてたーーー
と言いながらキスしたっけ。。。


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