レンタル彼氏
期待されても困る。。。
「期待?何の期待ですか?」
わかってる
わかってるけど
ここはふざけないと
通り抜けてはいかれない。
「自分のことを好かれてるのかな?
的な期待」
「あ・・・そのことでしたら
大丈夫なんで あはは」
作り笑顔のあたし。
「とりあえず昨夜は迷惑かけて
すみませんでした
以後気をつけます
お先に着替えに行ってきます」
更衣室に向かって振り返らず
前に進んだ。
後ろでは 主任の
「イテ!」と言う声が聞こえてきたが
転んだものなのか
どうしたのか振り返る勇気はなかった。
美奈先輩があたしの後に更衣室に
入って来た。
「先輩!
何であの人呼んだんですかぁ」
「思い当たる人材が居なかったし
あたし1人は無理だもん」
「水口さんとか
大丈夫だったんですかね?」
「あいつすぐ来てくれたんだよ
だから1人だったんじゃない?」
ほら!から見て!と
携帯の中の写真を見せられ
そこにあったのは
あたしをお姫様抱っこして
先輩の家に向かってる様子を撮ったもの。
「わっ!どーしよっ
超迷惑かけてる」
主任の顔は怒ってるようにも見える。
「クソ重い!とか言ってたっけな」
「ですよね・・・
それに マヌケな顔して
爆睡しちゃってるし
恥ずかしい」
「ヨダレ垂らしてなくて良かったね」
「マジでそう思います
しかもあの胸に抱かれたかと
思うと今更だけど赤面しちゃいます」
「アホかあんた」
「でも期待されても困る!って
面と向かって言われると
もう落ち込むとか
そんなの超えちゃいますね
笑うしかないです」
美奈先輩は大笑いをしながら
「そーかなぁ?
まぁ アホなあんたにこの写メを
送信しといてあげるからね」
とすぐに送ってくれたのだった。