レンタル彼氏
注目を浴びたあたしたち。
「もー!うるさいあんた!」
「無理です!無理です!」
一段と小声で美奈先輩に返した。
「頼めばいいじゃん!
恋人気分味わえて最高じゃない?」
最高だけど やっぱそれは無理。
「無理無理」
「おい!何が無理なんだ?
何の作戦会議してんだ?」
そこに話題の人物が登場してきた。
こんな時に限って
どうしてみんな集まるかなぁ。。。
「あ・・・いいところに来た!
あのねっ」
「あっ!何でもないです
さぁ!午後の仕事開始時間に
なりますよぉ
先輩戻りますよ」
言いそうになる美奈先輩を
止めるのに必死。
美奈先輩に藤堂主任の事を
好きだと打ち明けなければ良かったと
後悔しても遅い。
「気になるなぁ」
背中から呟くように言われ
聞こえないふりをしていると
「でしょ!あたしも言いたい!
あのね」と立ち止まり振り返った。
早口で説明してしまった美奈先輩。
「あはは
男もいないのにその場のノリで
見栄張って?
相当のおバカだな」
またバカ扱い。
「返す言葉がありません」
「だから 藤堂が彼氏のフリして
一緒に行ってやってよ」
「美奈先輩!!!
なんて言うこと言うんですか!」
「はぁ?なんでオレが?」
藤堂主任とあたしの言葉が重なった。
なんでオレが・・・
その言葉にショックだった。