レンタル彼氏


遅くなってごめんと
あたしの横に座り
みんなにもごめんねと言った主任。


「あ・・・彼は
藤堂征吾さんです」と紹介すると
千歳が
「何?乙女チックな目をして
こんなおとなしい
性格じゃないのにっ!
バラしちゃおうかな?」
と 面白がる。


「ああ 知ってるんで
こいつ言いたいことは
平気で言うやつなんで」


即 主任はそう返した。


「なんだぁ 知ってるのかぁ
猫かぶってんのかと思った」


すると主任は突然
千歳の彼を見て
「あれ?優?」と名前を呼んだ。


「ですよね だと思ってたんですよ
征吾さん 変わんないですね
いつ見てもイケメン」


「お前も変わんねーな
そのチャラ男どーにかしろよ」


「そーですか?
髪だって大人しめにしましたよ
社会人になりましたから」


「お前の会社その色オッケーなん?
うちの会社だったら即クビ!
仕事は何やってんの?
バーテンダーか?なーんてね」


「違いますよ
一応美容師っす!たまごですけど」
と2人で話し続け
後のあたしたちは???
と 会話を聞いてるだけ。


美容師だから 髪色も茶色で
髪をツンツン立たせてキメてるのか
チャラ男と言ってごめんなさい。


「へぇ 征吾さんの彼女が
この七瀬さんですか へぇ
世間って狭いですね
うちの彼女の友達が
征吾さんの彼女だとか」


どーせあたしと主任なんて
釣り合わないと思ってるのだろう。



そこにやっと
「知り合いなの?」と
千歳が口を挟んだ。


主任と鈴木さんのお兄さんが
友達なんだと。。。


知り合いだから
すぐこの場に馴染めたけれど
これでいいのか?
鈴木さんのお兄さんには
間違った情報が伝わってしまうのに
あたしが彼女だとか。。。




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