レンタル彼氏


やっとお店を出たのは23時前
2人きりになってすぐに
あたしの方から謝った。


「うん?謝ること何かした?」


「知り合いの弟なら
ヤバくないですか?
あたしが彼女とか」


「別にいいんじゃない?
後でなんとでも理由つけられるし」


「そうですけど ごめんなさい」


「それよりさ連絡先ぐらい
伝えとけよ!
お前の連絡先知らないから
神崎に聞いたんだぞ」


「先輩のことだから
何か言われましたよね」


「まーな」


きっと
あれ?連絡先きいてどーすんの?
くらいは言ってるよね。


「さっきのがオレの番号だから
登録しておけ!」


「かしこまりっ!」


主任の番号ゲットに心が弾む
会社用の携帯番号は知ってるけど
個人の携帯番号を知らなかった
聞くに聞けずの状態だったから。


「何も食べてなくて腹減ったから
飯に付き合え!」


「それもオプションですか?
違いますよね
あたしの頼みじゃないので
追加ではないですよね?」


「お前たちとの約束がなかったら
オレはもう家に帰って
一杯呑もう家飲んでる頃だよ
だからこれは延長!」


「せこっ!」


「仕方ないなぁ。。。
今日はこっちも遅れたから
半額にしとくかな」
と 冗談ぽく言う。


「もぉ 主任っ。。。」


「あっ!お前あいつらの前で
何度主任と言いそうになったか
気をつけろよな
彼氏を主任って呼ぶやついるか?
バレないように
名前呼んで練習しとけ!
オレも友人の弟がいるんだから
偽の彼を演じたとか
言いふらされたくないならな」


「すみません 何度もすみません」


また意味もなく謝るあたし。



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