レンタル彼氏
機内では「眠いから肩を貸せ」と
あたしに寄っかかって目を閉じた。
3日休むことにあたって
昨夜は遅くまで仕事を
していたのは知ってる。
あたしは起こさないように
身体に力を入れて
沖縄のガイドブックを見ていた。
事前に行きたい場所に
付箋を貼っていたので
絞り込む。
あたしたちどこを見学するのか
全く決まってない。
征吾どこか行きたいところとか
あるのかな?
3日間休養だ!って
ホテルにカンヅメで寝てたりして
うーんそれはないか。。。
隣のこの人が本当の彼氏だったら
最高だろうな。。。
ついつい見惚れてしまう。
「おい!こら!
そんなにガン見されたら
寝られないだろう」
「あっ。。。起きてたんですかぁ?」
「視線感じて寝るに寝れない
寝てる間に何されるか」
「何もしませんよ!」
「顔にでも落書きされてみろ」
「そんな子供染みたことしません!
もーーー寝て!今すぐ寝て!」
「お前も寝ろ!」
今度はあたしの肩を抱き寄せた。
「えっ?あっ?えっ?」
どう対処していいか
困ってるあたし。
「アホか!お前
お前が起きてたらこっちが
困るだけ」
「あたしって信用ないんですねぇ」
「よくわかってんじゃん」
「はいはい寝ますよ
寝ますっ!!!」
嘘寝でいいやと思って目を閉じてると
本気モードで寝てしまったようだ。