レンタル彼氏


「・・・・・」
征吾が無言であたしを見てる。


「えっ?あたし何かやらかしてます?」


「いや・・・お前の素っぴん
初めて見たなぁと思ってさ」


「見ないでくださいよぉ〜」
両手で顔を隠した。


「メイクしてても素っぴんも
大して変わったもんじゃねーよ
可愛い可愛い」


可愛いの連発 しかも適当な感じ
きっと社交辞令。


「はいはい ありがとうございます!
ちょっとあたし外の景色見てきます」
とベランダに出たあたし。


しばらくすると
「ルームサービス届いたから
入っておいでよ」と
征吾があたしを呼んだ。


そこにはハワイアンブルー色で
飾りにハイビスカスと
パイナップルが置かれている。


「わぁー!美味しそう!!!
南国って感じだねぇ
でも飲むのもったいないよね
ずっと眺めてたい」


「そう?じゃあ オレがお前のも飲むわ
お前は見てるだけでいいんだろ」


自分の元へ2つを引き寄せた。


「ずるい!飲みますっ」
1つを手に取った。


カクテルを飲みながら
語る話題は会社のこと。


ここまできて会社のこと?
なんて思っていると
「円香はいつから彼氏が居ないんだ?」
と突然の話題変化。


「居ますよぉ〜」


「はぁ?彼氏いるの?」


「居ますよ」


「信じれんわ
彼氏が居て他の男とこんな所に来るとか
そいつと来ればよかったんじゃない?
余計な金まで使ってさ
オレに余計な有給取らせてさ
何考えてんの?
だから女って信じられないんだよ」


「何言ってんですか?
あたしの彼はせ・い・ご
あなたじゃないですかぁ」


「はぁ???
お前頭おかしんじゃない?」


「だってこの3日間は征吾が
あたしの彼だから」


「あ〜なんだ
そう言うことか。。。
もう酔っ払ってとんでもないことを
言い出したのかと思ったよ」


なんだなんだの連発。




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