レンタル彼氏
「まぁ かれこれ
本物の彼が居ないのは
1年半ううん2年かな?
って感じですけどね」
「気になる人とか?居ないわけ?」
居ますけど・・・
そう・・・
気になるのは目の前の貴方ですが。
「今はそーですね」
なんて曖昧な返事。
「征吾こそどーなの?」
「それなりに楽しんでる」
「ですよね・・・
聞いたあたしがバカでした」
「とは???うん?
どういう事?」
「水口さんですよ!
みんな噂してますから」
「へぇ〜そーなん」
「まぁ!
水口さんと付き合ってたとしても
今はあたしの彼氏なんでフフフ」
「何だよその不気味なフフフって」
「嫌でしょうけど
そういう契約なんでハハハ」
「何なんお前!
酔っぱらってんのか?」
だってそう言ってないと
水口さんとのことを
勝手に色々想像しちゃって
悲しくなるもの。。。
「そっかもぉ」
「何がそっかもぉだよ
じゃあ もう寝るかな?」
残りのカクテルを飲み干して
征吾は自分のベットに転がった。
あたしも片方のベットに
転がり込む。
しばらくの沈黙が流れる中
言葉を発したのはあたし。
「主任・・・
ありがとうございました
無理ばかり言って迷惑かけて
でも あたしにとってすごく
いい思い出になります
本当に感謝してるので・・・」
征吾じゃなく
ここは主任と呼んだ。
「いきなりどーした?」
「ただ何となく
お礼が言いたくて」
「おれもさ 結構楽しんでるから
お礼なんて言わなくてもいいよ
雇われた分 しっかり働くからさ」
雇われた分・・・
そうだったね・・・。