レンタル彼氏
あたしは大胆な行動に出た
思い出が欲しかったから・・・。
「あのぉ〜そっちで寝ていい?
・・・でしょうかぁ?」
「はい?」
征吾は少し驚いたように言った。
「恋人なんで・・・
一緒に寝てもいいかなぁ〜なんて
あっ。。。それは契約にないかな?」
「恋人だからいいんじゃね?
おいで」
とカッコいい笑顔を見せながら
自分はベッドの端に少し寄り
あたしの入るスペースを開けた。
大胆に言ったものの
いざ横に転ぶとドキドキが半端ない。
「こっち向けよ」
「あ・・・いや・・・
なんか心臓がバクバク言ってて」
「よく言うよ
そっち言っていい?なんて
言っといてさ」
「そーなんですけど
あたしウブなので」
なんて笑って誤魔化す。
「バーカ オレだって
ドキドキはしてるよ」
「えっ?主任も?」
「はぁ?主任?」
「せいごでした。。。」
「誰だってこの状況で
冷静なヤツは居ないだろ」
と言われた瞬間あたしは向きを変えられ
征吾の腕の中に。
もう これしかない!
一夜限りでもいい
征吾と・・・一緒になりたい
そう思うとさらに大胆に出た。
「あたしたち恋人なんで
こんなことをしてもいいですよね」
なんてあたしは征吾の唇を奪った。
「お前誘うの上手いなぁ
だけどキスは下手くそ」
「えー!!!下手?」
「キスってのはな
こーんなにするもんだよ」
と 今度は征吾から。
すごく甘くてトロけちゃいそうで
征吾の唇があたしの唇に
絡み合う。
その瞬間 あたしの中で
一本の線が切れた。
「うーん・・・
征吾・・・好き
好き好き大好き」
キスの合間に大胆な告白
だが 当の本人には通じてはいない。
「円香は上手いなあ
普通の男はコロッとなっちゃうよ」
やっぱり征吾には通じてはいないのか
本気なのに。