レンタル彼氏


最後はフルーツ盛り合わせと
バラの花束が運ばれてきた。


花束?


「えっ?これは?」
定員さんにすぐさま聞いたあたし。


「あ・・・えっと・・・」


少し言葉に詰まる定員さん。


「あ〜いいよ
下がって」
定員さんにそう言う征吾。


不自然な雰囲気に
もしや?美奈先輩が誕生日を言った?
だから 征吾が気を使って用意した?


定員さんが下がると
「義兄の知り合いが
女の人来るならって
このフルーツと花を
プレゼントしてくれたみたいなんだ
義兄が彼女と行くと余計なことまで
伝えたみたいでさ」


彼女
そうと聞いた知り合いは
気を利かせて花とフルーツを
サービスにつけて
仲良くやれよみたいな感じらしいが。


「いいのかなぁ
こんな綺麗なお花頂いても
申し訳ないなぁ
偽物なのにあたし」


「差し上げると言うんだから
頂いておけば?
向こうの気持ちだしさ」


「うーん
でもさ これを東京に持って帰ってたら
しおれたり グチャグチャになりそう」


「うん?もらって迷惑な感じか?」


「ううん 迷惑じゃないけど」


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