レンタル彼氏
キーをフロントに返し
今日は時間がないから
国際通りで買い物をするだけの予定。
フロントには昨夜のバラの花が
大きな花瓶に生けられていた。
「お世話になりました」
「昨日は素敵なお花を
ありがとうございました
さっそく飾らせて頂いてます」
「こちらそこ
こんなに飾って頂いて感謝してます」
「そうそう
花束の中にメッセージカードが
入ってまして」
と 差し出してきたのは
小さな白い封筒。
お店の人のメッセージだったのかも
ちゃんと確認して差し上げればよかった。
「あ・・・どーもすみません」
それを受け取ると
「おい!行くぞ」
と 先を急がされ封筒はバックに閉まって
すぐに征吾を追いかけた。
「お店の人からのメッセージが
あったんだって」
「『どーせ 御来店ありがとう
気持ちです』みたいなものだろ」
「そっかもね」
カードを確認することもなく
そのまま国際通りへ向かったのだった。