レンタル彼氏


「いつもこの時期思うけどさ
あたしたちもあんなに
囲まれてたっけ?」


「あたしも今思ってたところよ
同じことを考えてるなんて
さすが気が合いますね
華子さん」


「円香はガードが
固そうだったもんね
近寄らないでオーラー出てたもん」


緊張してただけで
そんなオーラーなんて
出してないけどね。


「そんなことないよぉ
だけどさ 何だかんだって
いち早く彼氏を見つけて
幸せなのは誰よ!」


「まーね」


まーね!ときたか!
そう 華子は同じ営業課の
2つ年上の工藤剛とラブラブ中
羨ましい限り。


「自分だって告れば?
何かと気にかけてくれてるんじゃない?」


「あれで?
軽いイジメだし!」


「このまま告んないつもり?
ってか どのくらい片思い?」


「うーんかれこれ1年かな?」


「それってどーなん?
いつまでも片思いのまま?」


「だってぇ 告って今の関係が
壊れるの嫌だもん
やりづらくなるでしょ」


「そっかぁ
これから片思いを継続するのね
ご苦労様です」


ふざけながら頭を下げる華子に
あたしも何よ!その態度!と
笑っていた。










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