レンタル彼氏


「何?痛いなぁ」


「こっ・こっ・こっ」


「ニワトリか?お前
こっ・こっ・こけこっこぉ」


「それは主任あっ征吾の目覚ましです
これですよこれ」


メッセージカードを見せた。


「それがどーした?」


「お店からじゃないじゃん!」


「そうだよ」


「そうだよってぇ
言ってよ!」


「超迷惑そーな感じだっただろ?
持って帰っても・・・
ドライフラワー?あたし
そんなの得意じゃないので?」


あたしがフロントのお姉さんに
言った言葉を繰り返す。



ちゃんとその場でカードを
確認しとけばよかった。


おめでとうとか
言ってもらえたかもしれないし。


「本当にごめんなさい」


「まぁ お前が言ったように
あの花はあのホテルで
みんなに見てもらえてきっと
良かったとそれは思うよ」


「もしかして美奈先輩がいいました?
私が誕生日だって」


「そう!正解!」


「やっぱりぃ
言わなくていいよって言ったのに
余計な気を使わせてごめんなさい」


「あっ!もう一つ
あの店 知り合いでもなんでもないから」


「はぁ?」


「誕生日祝いのつもり」


「えー!!!
それならもっともっと
誕生日を味わいたかったぁ」


「全てはカードを
確認しないお前が悪い
じゃあ 寝るな おやすみ」


そう言って再び目を閉じた。


時間が戻るのなら
料理を食べる前に戻してぇ!!!
と 心で叫ぶあたし。


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