レンタル彼氏


とうとう夢のような幸せな旅は
終わりを告げた。


「またみんなで会おうね」
なんて空港で千歳たちと
別れた。


「さてぇ!帰りますかぁ」


「最寄りの駅まで送ってくれますか?」


「いいよ 家まで送ってあげるから」


「いいんですかぁ?」


なんて言うがもう少し
一緒に居られることに喜ぶあたし。


だが!!!
それは崩れてしまう。


走り出して数十分後
主任の携帯が鳴り響いた。


Bluetoothを繋いでるから
ナビの画面に相手の名前が出る。


たかこーーー


まただ
水口さんだ。


主任は道端に車を止めて
携帯で話し始めた。


内容はあたしには聞こえない
そのままBluetoothで話せば
あたしに聞こえてしまうから
車をわざわざ停車させて
携帯で話したのか。。。


「何?はぁ?まだ居るの?」
「今帰ってるから」
「ああ 帰るってぇ」


まだ主任の部屋で帰りを
待ってるという事なのか。


電話を切って大きなため息の主任。


「あのぉ そーいえばあたし
帰り寄るところがあるので
その先で降りますから」


「どーせ嘘だろ」


「嘘じゃないですよぉ〜
じ・実家に帰るんです
お土産を持っていくんですっ!」


「それなら実家まで乗せて行くよ」


「ダメですよ!
それこそ主任と一緒に帰って
お土産なんか渡したら
えっ?どんな関係?って
迷惑をかけちゃいます」


「どんな関係?って聞かれたら
恋人って言っとけば?」


「はい???そんな嘘うちの親には
通じませんよ」


「今日までは恋人だろ?」


「そんな・・・
いや!!!うちの親 面倒なんで
やっぱ無理です
そこで降ります」


あたしは実家に行くと
嘘を突き通し近くの駅で
降りることとなった。





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