レンタル彼氏
ハラハラ ドキドキ
「おはようございます」
普通の生活に戻った。
あたしと主任が同じ日に同じ日数を
休んだのでみんなは色々疑ってる。
事実を知ってるのは美奈先輩だけ。
「偶然ですよ」と
主任は笑って話す。
そして「オレが七瀬と一緒に
休んでどこか行くとか
あり得ると思う?」と付け加える。
「だよね」と
納得する課長たち。
ただ疑ってるのがただ1人
いや・・・2人か。
1人は翔太。
ニヤニヤしながら
2人を交互で見る。
そしてあたしにボソッと
「そういう事にしといてあげますよ」
と偉そうに言う。
誰もいなかったら
頭一発殴ってやるのに。
そして疑うのはもう1人
そう水口さん。
今朝
偶然エレベーターで2人きりになった。
「おはようございます」
あたしの方から挨拶をしたのだ。
「あっ・・・おはよう
ねっ!あなた3日も休んでたって?」
「あっ・・・はい」
その時点であたしの心臓は
バクバク状態。
「旅行?」
「あ・・・はい」
「誰と?」
「誰って・・・
友達です!高校時代の」
「ふーんそう?」
疑ってる!絶対疑ってる!
「偶然かしらね
そちらの総務課の主任も
休んでたんだよね
しかも友人と沖縄行ったって
あなたは?友人とどこへ?」
沖縄と言えば疑われる
だけど嘘をついてそれがバレた時には
余計に怪しい。
ちょうどその時エレベーターは
到着した。
「また話しましょーね フフフ」
謎の微笑みを残し水口さんは
降りて行った。
あたしの心臓はドクドクと
周りに聞こえそうなくらい
波を打っていた。