レンタル彼氏
「そうそうみんなにお土産」
と紙袋をデスクに置いた主任。
「はい課長 はい山崎広永」
と各それぞれに手渡している。
もちろん美奈先輩も翔太にも。
「あれ?円香先輩には無いんですか?
みんなにはあって先輩に無いって
可哀想じゃないですかぁ!」
もー!!!翔太!
そう言うのいいから
スルーしてよ。
「あっ・・・あるよ ほら」
えっ?あたしにも?
「すみません・・・」それを受け取ると
「お前だけ除け者にするわけないだろ」
と付け加えた。
さすが主任!
よく気が効く。
この場であたしだけ無かったら
疑われてしまうから
用意周到だね。
「おーい七瀬
お前も旅行だったくせに何も無いの?」
課長からの催促。
「あっ。。。買う時間が。。。」
「はいはい
初めから買う気ゼロだったんだろ」
課長の冷めた言葉に
「そんなところが差が出るんだよね
できる奴とできない奴」
口を挟む主任。
主任・・・
それはないよ・・・
それなら仕事が終わった後に
みんなにお土産渡すとか
そういう配慮があってもいいんじゃない?。
「すみません・・・」
あたしだって買おうとしたよ?
だけど 同じ沖縄の物を買ったら
何を想像させるか
主任にこれ以上迷惑かけるだけだしと
思って控えたのに。
「なーんて
今のはオレと七瀬からのお土産だから」
「えっ???」
「はぁ?」
「なに???」
みんなの顔がはてなマークになっている。
「後でバレると言うか
知られて好き勝手に
変な予想されて困るのは
こっちだから事実を伝えておく」
と主任が口を開いた。