レンタル彼氏
諦めます
眠れない夜を過ごし
眠い目を擦りながら会社についた。
朝一に会う人がこの人?
今日も最悪な1日になりそう。
それは水口さん
水口さんはとびっきりの笑顔で
「おはよう!」とあたしに言った。
「おはようございます」
「フフフ」
謎の微笑みを残す
勝ち誇った微笑みに見える。
「何ですかぁ?」
「なーんでもないわよ
フフフ」
またフフフという。
「あのぉ!本当に
3日間申し訳なかったです
あたしだったら彼氏が
他の女と理由はどうあられ
旅行に行ってたらキレて
別れちゃうかもしれません」
「彼氏?」
「はい そうです
主任をお借りして申し訳なくて
どう謝ったら許てもらえるかと・・・」
「許す?
うーんそーね
そこで土下座して貰おうか?
うーん それとも
どーしようかなぁ」
土下座か。。。
仕方ない。。。
それで許してもらえるなら。。。
あたしは黙ってその場に土下座した。
「あっ・・・えっ・・・」
本当にするとは思っていなかったのか
少し驚いている様子。
すると
「ちょっとぉ!何してんの!」
華子があたしのそばに来た。
「何もないよ」
とすぐに立ち上がったが
「土下座してたでしょ!」
と かなりしつこい。
周りの人に聞かれたら何を言われるか。
「違うってぇ
そう そこでバックを落としちゃって
中身が散乱したから
取ってただけだってぇ」
何ともおかしな言い訳。
「じゃあね 七瀬さん」
水口さんはいなくなった
ちゃんと伝わったかな?
あたしの気持ち。
そんな事より
華子から「あれ絶対土下座でしょ!」
と 更衣室で着替えてる最中
ずっと言われ続けた。