レンタル彼氏
「何食べる?」
「吉田さんにお任せします」
「和 洋 中華 さぁ どれ?」
「ガッツリ系じゃなかったら
何でもいい」
何も考えたくない
行くって勢いで言わなきゃよかった。
「じゃあ 鉄板焼き行くか」
「はい」
鉄板焼きのお店へと向かっている時
吉田さんの携帯が鳴り始めた。
ディスプレイを見た吉田さんは
「えっ?」と言いながら電話にでた。
「あれ?まさかの今日だった?」
約束があって忘れていたようだ。
「1時間ううん 2時間ぐらい遅れる」
そう言ってる吉田さんに
「約束があったなら
すぐに行って下さい」と
相手に聞こえない程度で言うと
吉田さんは 片手を目の前に立てて
ごめんというポーズをした。
「すぐ行くわ」
と電話を切るとあたしに
友人たちとの飲み会の日にちを
間違えてたと説明したのだった。
とりあえず駅までは一緒に行ったが
そこからは別々
そしてあたしは早々に
部屋へと帰ったのだった。
吉田さんも本当に
あたしに興味あるなら
約束なんて断るはずだけど
ごめん!と行くということはそういう事
所詮そーだよ
とうんうんと納得。
お風呂から上がるとラインが届いていた
送り主はサッチー
グループライン
ーーーヤッホー元気?
沖縄の写真 少しだけど
あたしの携帯の中にあるのを送るねーーー
と アルバムに沖縄ラブラブ旅行と
丁寧に名前までつけて送って来た。
すると あたしもあるよぉ
と千歳までがそこへ追加した。
ーーーあれ?円香はないの?
そっかそっか 彼と自分しか
撮ってないってか?ーーー
ーーーマジでラブラブだったよねぇーーー
千歳とサッチー。
ーーーごめん 少しならあるーーー
と朝のみんなの画像などを送った。
ーーーみんなに報告がある!ーーー
ーーーえっ?何?
結婚すんの?ーーー
ーーーえー!!!まじで?
先越されちゃったーーー
ーーー勝手に想像しないでよぉ
その逆ーーー
別れたことにするのが
好都合だと思った。