レンタル彼氏
「頭に響くので小さい声で
言ってください!」
「はぁ?」
「飲み過ぎちゃって
気づけば朝だったし」
「あれから飲んでたのか?」
あれから?
あーあ 主任たちと会社で
別れてからってことかな?
「そーです」
「あいつと朝までか?」
あいつ???
あっ!!!あの時
吉田さんとご飯行くとか言ってたな。
昨日のことなのに
やっぱり頭がフルに回転しない。
「いえ」
「隠さなくていい
あいつもさっき 人と話してたよ
飲み過ぎて、頭痛いとか」
それはあっちはあっちで
飲み会があったから。。。
「違いますよ
吉田さんは友人と」
つい!違うことを伝えたくて
声が高くなる。
「お前が誰と朝まで居ようが
こっちには関係ないことだから
そんな声を上げて否定しなくていい」
関係ない・・・
そーだけど
「酒が抜けてないのに出勤とか
仕事に支障がない程度にしろよ」
ガミガミと言われ続け
仕事は始まったのだった。
お昼に 吉田さんに
「円香ちゃん昨日はごめんね」
と声をかけられた。
「あっ!大丈夫です
昨夜はたくさん飲んだんですか?」
「えっ?どーしてわかる?
顔に出てる?」
主任に言われたから知ってるだけ
つい口から出た。
「そーかな?って思っただけです」
「朝から頭が痛くて」
一緒一緒 一緒です!
「やっぱり次の日が仕事だったら
きついわ」
一緒一緒 一緒です!
「ふふふ」思わず笑ってしまった。
「え?笑えること言ったかな?」
「ううん 一緒だなぁと思って
あたしも気づけば朝まで飲んでたから
朝しんどくて」
「そっかぁ お互い気をつけような」
「ですねー」