ヘタレな野獣
失礼しました、そう言って、下柳を引きずるように会議室を後にする矢野課長。
「はぁあ、何だろうねぇ、どうして一課と二課はこうも仲が悪いんだろうねぇ・・・」
部長は、お先にと、私とヨレヨレ君の肩をポンと叩いて、会議室から出て行った。
気まずい、非常に気まずい。
「それにしても、参りましたね」
沈黙を破ったのはヨレヨレ君だった。
「こんなに早く動いて来るとは思いませんでしたよ」
ヨレヨレ君はまるでこうなる事がわかっていたような口振りでそう言った。
「あま、みや課長?それは・・・」
「あっ、すみません、実は例の給湯室の一件の後、偶然聞いてしまったんですよ、下柳補佐が葛城君達と話しているのを・・・」
「えっ?それは、どういう・・・」
実は・・・
彼の話はこうだった。
下柳はとにかく私が気に入らないようで、近い内に失脚させてやる、そんな会話だったようだ・・・
例のレイトショーの鑑賞券も実は葛城君に貰ったものだったようだ。
「田崎さんには悪いけど、どんな風に動いて来るのか知りたくて、でも、こんな子供じみた方法だとは思ってもみませんでした。
イヤな思いをさせて、すみませんでした」
ヨレヨレ君はそう言って頭を下げた。
「はぁあ、何だろうねぇ、どうして一課と二課はこうも仲が悪いんだろうねぇ・・・」
部長は、お先にと、私とヨレヨレ君の肩をポンと叩いて、会議室から出て行った。
気まずい、非常に気まずい。
「それにしても、参りましたね」
沈黙を破ったのはヨレヨレ君だった。
「こんなに早く動いて来るとは思いませんでしたよ」
ヨレヨレ君はまるでこうなる事がわかっていたような口振りでそう言った。
「あま、みや課長?それは・・・」
「あっ、すみません、実は例の給湯室の一件の後、偶然聞いてしまったんですよ、下柳補佐が葛城君達と話しているのを・・・」
「えっ?それは、どういう・・・」
実は・・・
彼の話はこうだった。
下柳はとにかく私が気に入らないようで、近い内に失脚させてやる、そんな会話だったようだ・・・
例のレイトショーの鑑賞券も実は葛城君に貰ったものだったようだ。
「田崎さんには悪いけど、どんな風に動いて来るのか知りたくて、でも、こんな子供じみた方法だとは思ってもみませんでした。
イヤな思いをさせて、すみませんでした」
ヨレヨレ君はそう言って頭を下げた。